上村新×白崎勇気~バッテリー対談~

[硬式野球部]特別対談
 今秋、国士大との入替戦を制し、08年春以来の1部に復帰した硬式野球部。その中でチームの中心として活躍した2組の選手の対談を2日間に渡ってお伝えします。


バッテリーを組んできた(左から)白崎と上村=駒澤大学で(堀江あゆみ撮影)


終始笑顔で取材に応じてくれた2人


捕手として活躍してきた上村=神宮第2球場で


エースとして投手陣を引っ張る白崎


信頼しあうバッテリー=東農大グラウンドで

 
 2組目は、副主将として、また捕手として常にゲームを作ってきた上村新(営4)と10年春から1戦目を任され、エースとして活躍した白崎勇気(営3)。08年秋からバッテリーを組んだ2人は、入替戦でも力を発揮。入替戦1回戦では白崎が被安打4で完封勝利を果たしチームに貢献した。寮生活でも同じ部屋だったことがある2人に、それぞれに対する心境を伺った。
※なお、本取材を行ったのは12月下旬です。

コマスポ(以下、コマ):改めて秋季リーグを振り返っていかがですか?
上村新(以下、上村):最後のシーズンだったので、結果的に上がれたので良かったのかなと思います。
白崎勇気(以下、白崎):チーム的にはすごいいいシーズンだったと思いますけど、個人的にはあまり仕事ができなかったシーズンかなと思いました。でも1番いいのを入替戦に出せたから、そこは良かったかなと思います。
コ マ:この秋は1部昇格しましたが、その要因はなんでしたか?
上 村:どうだろうな。一戦一戦戦った結果勝ったというのもあると思うんですけど、開幕3連敗したので…ぶっちゃけちょっと厳しいシーズンになるかなと。結果混戦になって、負けないで粘っていけたのが過去にはないことだったと思いますけど…どうですかエース?(笑い)
白 崎:やっぱり4年生の人たちが頑張ってくれたからじゃないですかね。ちゃんと4年生の人たちが結果でも姿でも戦う姿勢というか、1部への希望を4年生の人たちが捨てなかったから、僕たちもついてこれたかなと思います。

コ マ:上村さんは副主将として1年間過ごしましたが、どうでしたか?
上 村:キャプテンか副キャプテンかわからないけど、ちょっとはそういう役職を与えられるんじゃないかっていう気持ちはあって。いざなってみると、どうやってチームを引っ張っていこうかなと。(就任時は)正直野球部にいろいろあってすごい話し合いの機会が多くなって、ぶつかることがすごく多かった。でもまとまっていかないと勝てないし、(前主将の)林さんがちょっと孤立していた状態になっていたんじゃないかなと下から見てもすごい感じられたから、キャプテンを孤立させないようにだけはしたいなと思って。少なくともそうキャプテンがこうするって決めた方向にみんなを向かせられるっていう風にやっていけたらいいなと思って、結局それを1年間やった感じになったかな。
コ マ:白崎さんも副主将になりましたが、何か期待したいことはありますか?
上 村:そうだな…。今まではピッチャーだけだったと思うけど、少なくとも白崎はピッチャーと野手が対立しないようにできていればいいかなと。まず自分が投げることに必死になってほしいんだけど、第三者的な目で見れたら自分を知ることもできるし気付くこともあるだろうし。その中で、こいつが違う考えを持っているとかだったら修正できることが言えると思うので。それができればもっとピッチャーの質が上がっていくと思うので、そうなってくれればいいと思います。
コ マ:白崎さん自身は副主将という立場をどう考えていますか?
白 崎:いや…(苦笑)。小倉元平っていうのがいるので、あいつしっかりしているので大丈夫だと思います(笑い)。俺はね、なんかねちょっと人と違うらしいんだよ。俺は言葉で引っ張るより、態度で引っ張るしかないので。とりあえず頑張ろうと(笑い)。

コ マ:これまでを振り返って、白崎さんはどんなピッチャーでしたか?
上 村:いや~白崎さんとは楽だったわ(笑い)。最後はこれで安心できると思った。…こいつ試合の時とオープン戦の時の球が全然違うんよ。
コ マ:どう違うんですか?
上 村:試合の時、すごく速くなったり、すごいフォークが落ちだしたりするんよ。これやばいなって思った時もあったし、これ結構気引き締めないと取れないなと思った時もあって。年をとるにつれていいピッチャーになるんじゃないかと。…国士館(2回戦)の時は打たれてびびったけど(笑い)。
白 崎:僕もびびりました(笑い)。
コ マ:以前、加茂(勇作)さんが、白崎さんは去年より悪いなりに抑えられるようになったと話していたのですが、上村さんから見て白崎さんが変わったと思うことはありますか?
上 村:白崎って、下の時は打たれ出したら止まらないピッチャーだったんよ。連打連打連打で、ボール要求しているのにストライク投げるし、ストライク投げろっていったらボール投げるし。大分外から冷静に見れるし、悪いなりに抑えられるようになったかな。やっぱり修正能力が付いたんじゃないかと。最初は一生懸命やっていただけの中に考えることをし出したから、それが大崩れしない原因かなと思います。
コ マ:逆に、上村さんはどんなキャッチャーでしたか?
白 崎:上村さんは…僕が考えなくていいんです。全部任せっきりになれるかな。僕がこの球投げたいなと思ったらその球投げて、あとは九割九分、上村さんに配球任せているので。僕は投げることに集中できるっていうか…楽です(笑い)。上村さんの時はあまり振らないですよね?で、僕があんまり考えないです。ピンチになって考え始めるぐらいで。でも国士館戦のときは…ちょっと考えすぎましたよね?(苦笑)
上 村:そうだな。試合の中のピンチの時ってこう何個かキャッチャー的に候補があって、これだったらこれなんだけど…でもこっちかもしれないっていう、すごい葛藤があって。その中でサインを決断していかないといけないんだけど…2人が考えすぎちゃってお互い迷っちゃうと打たれやすくなって、あの(国士戦2回戦の)8回みたいなことになったりするってことがあったよね…。

コ マ:上村さんが怖かったエピソードはありますか?
白 崎:…あれじゃないですか?(笑い)
上 村:(笑い)いや言うな(笑い)。
コ マ:あるんですか?
白 崎:いや、あれはでも野球の面じゃないです。私生活の面で。
上 村:1回、私生活でこいつがちょっとリーグ戦前におかしなことをして、みんなの前で怒ったってことはあるけど(笑い)。
コ マ:それは言えないことですか?(笑い)
白 崎:俺、大概やらかしているからね(笑い)。
コ マ:そうなんですか!?
白 崎;…うん(笑い)。やらかしていたね。(新主将の)岡(将吾)とは違うからね。岡はね、やらかさないんですよ。
上 村:まじめなんよ。
白 崎:俺はちょっと…まじめな時とまじめじゃない時の差が激し過ぎるから(笑い)。
上 村:下の時は、これぐらいいいやってのがたまにひどいことしていたんよ(笑い)。
白 崎:それが見つかるから(笑い)。そういう星の下に生まれたので(笑い)。
上 村:見つからなきゃいいのに見つかるからね(笑い)。だから怒られるんだよね(笑い)。
白 崎:見つかってしまうってところが俺だなって(笑い)。

コ マ:上村さんのここは素晴らしいと思うところはどこですか?
白 崎:セカンドへのスローイングはすごいんじゃないですかね。上村さんだと、そんなランナーに気を遣うってことがなかったですね。スローイングはすごい信頼していました。
上 村:“は”ね(笑い)。
白 崎:いやでも、配球っていうのは任せますけど答えがないので。セオリー通りにいけばこうでも、それに当てはまる時と当てはまらない時があるので。調子悪いなりに抑えられるようになったっていうのは、上村さんの配球の面もあると思います。
コ マ:上村さんのおかげで良くなった感じですか?
白 崎:うん。上村さんは部分じゃなくて、総合的に見て素晴らしいじゃないですかね。キャッチャーっていうのは投げられてフットワークもできてバッターも見れて、なおかつ上村さんはホームランとかも打てるし…キャッチャーとして素晴らしいじゃないですかね。その中で特質している部分としては肩がすごいいいと思います。
上 村:そうっすか(笑い)。ありがとうございます(笑い)。

コ マ:普段お二人はどのようなことを話しているんですか?
白 崎:上村さんが3年の時に同じ部屋で。
上 村:で、4年になったら隣の部屋で。
白 崎:“お湯くれー”って(笑い)。
一 同:笑い
上 村:そうそう(笑い)。いつも白崎のところにお湯くれって。で、白崎は夜真っ暗にしてしゃべっているのよ。“はい、そうっす。そうっす。”ってみたいに話していたんだけど、ちょっと黙って2秒くらいしたらいびきかくからね(笑い)。
一 同:笑い
上 村:早っみたいな(笑い)。
白 崎:俺、寝るの早いんです(笑い)。
上 村:しょっちゅう。びっくりするくらい。あ、眠かったんだなって(笑い)。

コ マ:お二人にとって思い出に残っている試合はありますか?
上 村:やっぱりノーヒットノーランした時かな。
白 崎:僕もそうっす。
上 村:日大のノーヒットノーランの時って、白崎の状態が受けていた感じはあんまり良くなかったんだよね。球はきているんだけどコントロール良くねえなって。だからやっぱ修正能力付いたんじゃないかなっては思う。
コ マ:ノーヒットノーランが懸かった試合で、球を受けていてどうでしたか?
上 村:こっちが緊張してきちゃって(笑い)。7回ぐらいに気付いて、やべって(笑い)。0―0で緊張してきて。加茂の時(※09年5月26日の試合参照)も失敗して完全試合をヒット打たれちゃっているから。これ白崎にはさせてやりてえなと思って。9回終わって、9回の裏にサヨナラ勝ちで。
コ マ:最後は上村さんでしたよね?
上 村:そうそう。これ俺決めたらちょっと絵になるなーと。締まらない終わり方だったけど(笑い)。あと入替戦も。白崎のデビュー戦ってぼろぼろで。それ以来のマウンドだろ?
白 崎:そうっすね。
上 村:ちゃんと成長しているんだっていうのを感じられたあの時だったかな。

コ マ:白崎さんには来年どんなピッチングをしてほしいですか?
上 村:できたら完封で勝ってほしいってのはあるんだけど、それは理想論すぎるので。勝てるピッチャーになってほしいかな。今も勝っているけど、白崎が投げたら勝てるっていう雰囲気を白崎に作ってほしい。やっぱそういうピッチャーって相手からしたら嫌だし。
コ マ:またバッテリーを組みたいという気持ちはありますか?
白 崎:僕は戦ってみたいです。
上 村:それはあるね。
白 崎:どっちかっていうとね。今味方の人たちとは戦ってみたいですね。真剣勝負で。練習試合とか紅白戦じゃなくて。何かを懸けての試合で戦ってみたいですね。
上 村:それはいいね。やってみたいね。社会人行くんだったら都市対抗とかでやりたいし、白崎がプロ行ったんだったら、まあ俺プロ入らないといけないんだけど、そういうしびれる場面でやってみたいよね。
コ マ:もし対戦した時、自信はありますか?
白 崎:…ありますよ(笑い)。ピッチャーの方が有利といえば有利ですから。
上 村:そこを打つのがまたいいんよ(笑い)。

コ マ:社会人に進まれてからの目標はありますか?
上 村:とりあえず日立が都市対抗に出るっていうのは当然なんだけど、1年目からキャッチャーとして座って出る。日立って都市対抗優勝したことないから優勝したいなと。それで将来的にはプロに行きたいなという思いはあるかな。日立に俺が入ったから勝てたってそういう風に思われたらいいなと。
コ マ:白崎さんが上村さんに期待したいことは?
白 崎:社会人が最終目標じゃないと思うからプロに行ってほしいと思います。野球をやっている以上はプロに行ってほしいです。

◆上村 新(うえむら しん)
 1988年8月28日生まれ。178㎝80kg。経営学経営学科4年生。広陵高校出身。捕手としてチームを牽引。立正大との2部優勝決定戦と国士大との入替戦1回戦では、貴重な本塁打を放つなど打撃面でも活躍。卒業後は日立製作所野球部へ。
◆白崎 勇気(しらさき ゆうき)
 1989年12月14日生まれ。178㎝70kg。経営学経営学科3年生。駒大岩見沢高校出身。3年生の春から1戦目の先発を任され、春・秋リーグを通じて年間100イニング以上を投げ切った。来季は1部の舞台でチームの大黒柱として活躍が期待される。


エースとして投手陣を引っ張る白崎

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