南出、国体決勝のリベンジマッチへ!

[ボクシング部]第87回全日本ボクシング選手権大会
マチュア最高峰の大会、全日本ボクシング選手権大会が、福井県福井市にある福井県産業会館で行われている。準々決勝のこの日、駒大勢からは8人が試合を迎えた。


南出の準決勝の相手は、奇しくも国体の決勝の相手と同じだ=福井県産業会館で(田上佳雅撮影)


田中亮明の試合は、ほんの一瞬で決着がついた


格上相手に積極的な試合展開をした田中裕也


激闘をたたえ合う林田と中嶋(芦屋大)


ライト級の藤山は準々決勝での敗退となった(増田昇悟撮影)

果は以下の通り。(試合順)

ライトフライ級
●長谷部大地(経1)〔WO〕○松本流星(日大)
●杉山広将(営2)〔RSCーⅠ 1R1分13秒〕○柏崎刀翔(自衛隊体育学校
【フライ級】
○林田翔太(15年卒)〔WP5-0〕●中嶋憂輝(芦屋大)
バンタム級
○田中亮明(16年卒)〔RSC 1R0分21秒〕●川田憲昇(東洋大
○南出仁(商4)〔WP5-0〕●山内祐季(芦屋大)
【ライト級】
●藤山義範(商2)〔WP0-5〕○齋藤麗王(東農大)
【ミドル級】
○鬼倉龍大(17年卒)〔DSQ 2R1分53秒〕●原田健太(東洋大
【ライトヘビー級】
●田中裕也(法2)〔WP1-4〕○高倉久生(日大)

※WOは不戦勝・不戦敗を表す。
※WPはWin on Pointのことで判定勝ちを表す。
※RSC-Ⅰは正当な攻撃によるけがで試合続行不可能と判断された場合を表す。
※RSCは選手の状態をレフェリーが見て、試合続行不可能だと判断した場合を表す。
※DSQは正当だと認められない攻撃で、相手をカットさせた場合などに、反則がつき試合に決着がつけられたことを表す。(反則負け)


 ベスト8が出揃った。この日から、ミドル級以降のチーム駒澤の選手も登場。長谷部は結膜炎により、まさかの試合欠場を余儀なくされた。杉山は2012年・2013年のLF級チャンピオンの柏崎選手相手に1Rでカットしてしまった。しかし、次の階級の林田翔太がパンチングの正確さで勝負を制すると、ここで表れたのは世界レベルの選手、田中亮明だった。わずか開始21秒。ワンツーと2回ジャブを入れてからの左ストレートで相手を倒した。その流れに乗るかのように、続けて南出が関西大学リーグ王者、芦屋大の主将、山内に5-0の判定勝ち。この結果には本人も思わず「出来過ぎ」と語った。明日の相手は国体の決勝でわずか1ポイントの差で敗れた中野(東農大)だ。
 この日最後に登場したのは、リーグ戦のメンバー外だった田中裕也。相手はLH級の全日本ランキング1位の選手だったが、臆する様子を見せず積極的な打ち合いのボクシングをした。顔にも何発も当て、敗れたものの、1ポイントはゲットした。


◆南出仁
「(今日の試合について)イメージした通りの試合はできたが、ここまで出来が良いとは思っていなかった。(昨日の試合について)(昨日2R目にダウンを取られたことは)完全に油断していた。その時まで自分の中では油断していなかったつもりだったが、ダウンした瞬間に目が醒めた。試合前に集中していなかったという一番やってはいけないことをしてしまった。国体から自分もパワーアップしたので、大丈夫ではないかと正直なところ思ってしまった。でも、ダウンしてからは自分の力を発揮できたので(勝てた)。(明日の相手は、国体の決勝の相手だが)あれから1ヶ月経っていろいろと修正できたというのもあるが、気持ちも、より本気になれたので、勝てると思う。(左の拳については)完璧です」

◆杉山広将
「(今日の試合について)今日の試合は、動きも昨日より全然良く調子も良かったので、やってみて勝てるかなと思っていたが、目をカットしてしまって残念に思う。(昨日の試合から今日の試合にかけては)一度戦ったことがあってその時に勝った相手だったので、1回戦目は最も大事なので自分の1ラウンド目から全力で行こうと思っていた。2ラウンド目でああいった結果になって、1回戦目としては上出来かなと思った。今日もしっかり勝ってやるという気持ちだったのでこういう結果になって悔しい。(強敵だったが印象は)相手は前に行くという情報があったので、自分はしっかり来たところに迎え撃つという形をとろうと思っていた。(国体から全日本にかけてやってきたこと)自分は右のパンチが強いが、それにばかりに頼ってしまって体が流れるという癖があったので、しっかりリードをついて相手を支配しながら自分で手数を増やして、積極性を出せるようにすることを意識しました。(同じ階級の長谷部選手について)結膜炎で出られなくなったが、強い選手なので、今までライトフライ級は自分が出ていたが、来年のリーグ戦で、その立場を取られないようにしていきたい。(来年のリーグに向けて)頭が(パンチを)打つ時にどうしても上がってしまうので、それをなくすようにしっかり良い態勢で打てるように努力したい」

◆長谷部大地
「(昨日の試合について)国体の時もそうだったが、試合の出だしが悪くて今回も1試合目がごちゃごちゃした内容になってしまった。国体の最後の試合は落ち着いてできたが、そういう全国大会の試合のはじめとなると、気合いが入りすぎて空回りしてしまうので、自分ができる内容の試合ができたら、(今日は強い相手だったが)勝てる相手だったと思う。(同じ階級に杉山選手が出ていたが)今日もし自分が勝っていたらチャンピオンの坪井さん(日大)で、杉山さんの今日の相手も同じシードの柏崎さんで、お互いがちょうどヤマ場を迎えていた。一番厳しいヤマだったので、一緒に乗り越えて決勝で戦えたらいいなと思っていた。やはり、杉山さんはどの試合でも安定して自分の力を出せているので、そういうところを見習っていきたい。試合ではないが、次はリーグ戦に向けて杉山さんと階級を争うことになると思うので、意識はしている。(この大会で注目している選手は)OBの林田翔太さん。自分と同じで腕のリーチが長くて、距離をとったボクシングをする人で、ああいう選手になりたい。あと、仁さん(南出)みたいに、前の手を散らして自分のボクシングを組み立てていくところ、そういうところが勉強になる。(高校時代のインターハイ全日本選手権の雰囲気について)全然違う。インターハイは各都道府県一人ずつ出場できるが、全日本は各ブロック大会を勝ち抜かないと出場できないし、高校時代のピン級もライトフライ級にまとめられて選手層も厚くなる。大会のレベルも高いので、一戦一戦の勝利が大変だなと。(結膜炎について)ボクシングに限っている話ではないが、寮生の過半数が発症していて、やっぱりボクシングはコンタクトスポーツなのでうつりやすくて、それで自分も、という感じ。(リーグ戦に向けて)自分の中で技術的なものよりも、試合で自分をきちんとコントロールすることが一番大事かなと思う。しないといけないことは、ある程度できるので、自分の距離を保ってワンツーを打つ、『やる』ことはできても、『出す』ことができないので、自分の100%の力が出せるようにということを練習していきたい」

◆藤山義範
「(今日の試合について)負けてしまいました。2R目以降、相手の気持ちの方が勝っていた。(昨日の試合について)気持ちが入りすぎてガチガチのボクシングになってしまった。(リーグ戦に向けて)5戦全部出場し、階級章目指します」

◆田中裕也
「(試合を振り返って)今回、国体・全日本どちらも出たことがなく全国の場が初めてだった。試合の内容としては1R目は手ごたえがあったが、2・3Rがずっと相手のペースで手ごたえというものを感じなかったので、やっていて勝ったというのが無かった。(1R目からの積極的なボクシングについて)試合前からプレッシャーに弱いというか気持ちが弱いので、監督からもそういう面を出さないようにと言われていた。(相手は実力のある選手だったが)勝てば一気に優勝に近づくということや、来年のリーグ戦に向けて良い試合の機会や、経験になればと思っていた。何か爪痕を残そうと思っていた。(監督やコーチから言われていたこと)監督からは「弱虫をだすな」と言われていた。気持ちが弱いので、そういった部分を出さないように、自信をもって行けと言われていた。コーチからも、爪痕を残すように言われていた。(来季のリーグに向けて)来季は去年よりも上の順位に行けるように学年全体でチーム一丸となって頑張りたい」

◆佐々木光大
(昨日の試合を振り返って)相手は名前もあって格上の相手だったので、自分は最初から100%出そうと思って、1ラウンド目から結構飛ばした。(相手選手の印象に変化はあったか)やってからは、意外とパンチは当たるなと思った。パンチは当たるが、場所のもっていき方や間合いの詰め方などが上手かった印象がある。(国体を踏まえて特に練習してきたこと)国体で見つかった課題を練習で意識してやった。(課題とは)試合展開、試合のテンポの速さだったり、出入り、足でリズムを作って試合のリズムを作ることを意識した。(来年のリーグ戦に向けて)年内はこれで試合は最後で、次はリーグ戦が始まる。リーグ戦でレギュラーに入って活躍したい」

<明日の出場選手>(試合順)

【フライ級】
林田翔太vs北浦龍馬(東農大)
バンタム級
田中亮明vs堤駿斗(習志野高)
南出仁vs中野幹士(東農大)
【ミドル級】
鬼倉龍大vs細野恭兵(近大)


激闘をたたえ合う林田と中嶋(芦屋大)

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