工藤、片西ユニバーシアードへ! 自己ベスト更新も続々

[陸上競技部]日本学生ハーフマラソン
立川シティハーフマラソン2017・第20回日本学生ハーフマラソン選手権が3月5日、陸上自衛隊立川駐屯地滑走路、国営昭和記念公園及びその外周コースで行われた。結果は以下の通り(上位3名までと駒大のみ、100位以下は記録のみ掲載)。


2位でゴールした工藤は昨年に続きユニバーシアードに挑む=国営昭和記念で(奥田葉月撮影)


片西(左)は下(右)との激しい競り合いを制した(田上佳雅撮影)


自己ベストを更新した中西(右)はトラックでユニバーシアードを狙う


上位3名がユニバーシアード代表に内定(大丸勇樹撮影)


1位 鈴木健吾(神奈川大) 1:01:36 (大会新)
2位 工藤有生(政3) 1:02:15
3位 片西景(地2) 1:02:34 ☆
4位 下史典(経2) 1:02:36
11位 中西亮貴(地3) 1:03:17 ☆
48位 中村大聖(政1) 1:04:16
52位 物江雄利(地2) 1:04:20 ☆
94位 佐々木聖和(営1) 1:05:04 ☆
   中村大成(法1) 1:05:09
   川戸拓海(国3) 1:05:50
   山下一貴(市1) 1:05:54
   海老沢太郎(歴2) 1:06:11 ☆
   大坪桂一郎(経1) 1:08:01

※☆は自己ベスト

レースは神奈川大の鈴木健吾、工藤、片西、下、東海大の川端千都などが先頭集団を形成し、
序盤からハイペースの展開となった。12キロ付近で鈴木が飛び出し独走となると、勢いそのままにトップでゴール。1時間1分36は大会新記録だった。約1分遅れで工藤が2着、続いて片西、下もゴールし、駒大勢が上位を独占した。上位3人の鈴木、工藤、片西は8月の台湾・台北で行われるユニバーシアードの日本代表に内定した。また、駒大の選手5人が自己ベストを更新した。

藤田敦史コーチ
「(今日の総評は) スタート前、駒澤の中では一番工藤がユニバーシアードに近い位置にいた。その工藤がどこまで勝負できるか、片西や下といった選手がどこまで上位に食らいつけるか試す意味で臨んだ。全体的に見ると、上位の選手がよく頑張ってくれたと思う。熱い中でタフなレースだったと思うが、その中で良いレースができたと思う。(良かった選手は) 片西。良いレースをしていたと思う。力がそれほどない状態で入学してきた選手だが、1年経つごとに力をつけてきた。箱根を走って自信をつけて、丸亀ハーフも出場し、今回も各大学のエース級の選手が集まる中でしっかり3番で帰ってきた。着実に強くなってきているなという印象はすごく強い。(1年生については)  今回は力試しという感じで、そこまで多くのものを望んで出したというわけではない。やはりまだ力が足りないのかなと感じた。上級生はだてに1年2年多く練習を踏んでいないなという印象。今回いろいろ感じたことはあると思うので、自分たちが何をしなければいけないのかわかってくると思う。それをどういった形で出していくのかが大事になってくる。(チームとして得たものは)  箱根で悔しい思いをし、そのなかで、自分たちがやれるんだというのをどこかで出さなければならならなかった。今回の各大学のエース級が集まるレースで、2番3番4番と上位を独占できたとこはチームとして良い材料。この結果を受けてチームが明るくなっていくと思う。(春のトラックシーズンに向けて)  今の駒大にトラックで各大学のエースと渡り合えるような選手はいないが、ここで諦めてしまったら進歩はない。駒澤にはロードが強いという伝統があるが、トラックでも駒澤はやれるんだということを見せるためにも、これからのトラックシーズンは大事になってくると思う。今回の結果で満足することなく、トラックでも結果を出せるように引き締めていきたい。(ユニバーシアードに内定した2人の選手に関しては)  片西はステップを踏んで強くなっている段階。着実に強くなっているので、今度は今までよりも一歩上で練習も試合もやっていかなければならない。そのためには私生活に気をつけたり、故障しないような体つくりが必要になってくると思う。工藤は前回のユニバーシアードで一人だけメダルとれない状況を味わっている。ユニバーシアードでメダルを取って初めて自分の中でのリベンジができると思う。2着になったこと、代表になったことに満足してはいつまでも勝つことはできない。ゴールはここではなく、満足せずどこまで高みを目指せるかが大事になってくる。そこを目指してほしいし、目指すべき人間だと思っている」

◆工藤有生
「(今日の調子は)今日のレースにしっかり合わせてきていたが、やはりまだ力がないなと思った。(監督・コーチからは)落ち着いていけというふうに言われていたが、それが出来ず後半負けてしまったので、冷静に走らなくてはいけないなと思った。(今日のレースプランは)前半からガンガンいって後半どうなるかなという感じだったが、後半全然動かなかったのでだめだった。(1位の鈴木選手(神奈川大)とは箱根2区でも共に走ったが)やはり負けたくない、勝つという思いでやったが、最後まかれたので悔しい。(意識していた他大の選手は)神奈川大の鈴木選手。(今日の結果をふまえて今後は)2年前のユニバーシアードで自分は5位で日本人最下位になっているので、今回は走るのであれば金メダル、日本人1位を目指して全力で走る」

◆中西亮貴
「(今日の調子は) 昨日の1000mの調整では少しずつ調整してこれていた。ある程度練習はつめていたので自信を持って臨めた。(レースを振り返って) 前の集団がハイペースで、それについていくと後半バテてしまうと思った。前半は自分でペースを刻みながら走ることができた。後半は公園の起伏に入ってペースを刻むことができず、後半はタイムが落ちてしまう形になってしまった。(今回のレースの目的は)箱根で9位という形になってしまった。このハーフマラソンは個人レースでもあるが他大学の選手もたくさん出ているので、チームの力を見せるとところだと思っていた。前で走っていた工藤、下、片西は表彰台争いをしていた。一緒に練習していた身としてそこに加われなかったのが残念。(意識していたことは)前がハイペースだったので何人かは落ちてくるなと思っていた。そこを食いながらどんどん前に上がっていこうと思っていた。後半勝負だと思って意識していた。(春のトラックシーズンに向けて) 上のメンバーたちも少しずつ調子を上げていっている。自分自身も今年はラストの年になる。チーム全体も活気ついていけるように、最上級生として結果や練習の部分でチームを引っ張っていきたい。トラックでは5000mを走ることになると思うが、そこでユニバーシアードの選考に加わっていければと思う」

◆川戸拓海
「(今大会の位置付けは)箱根駅伝に出ていない自分としては、この大会がマラソンシーズンの集大成として、また新年度への大きな一歩としていた。(今回の走りについては)まだまだ実力が足りていないと感じた。走っていてもスタミナが足りず、そこが課題点。(今後は)トラックシーズンに入るので、距離を積んだ練習を通して、自信と実力をつけて臨みたい」

◆片西景
「(今日は)1か月前の丸亀ハーフでしっかり走れたので、長い距離に自信を持って臨めた。(コーチからは)タイムより順位を重視して、ユニバーシアード出場に絡める順位を狙っていくように言われていた。(今大会の目標は)ユニバーシアードの出場をかけた中で、工藤さんや下としっかり勝負すること。(レ―ス展開は)14㎞で鈴木さん(神大)と工藤さんに離されてしまい、そこからは単独走だったが、17㎞で下に追いつかれてしまい、最後まで下との並走が続いた。(下選手との並走は)最後はお互いにきつかったので、意地で走った。(今後の課題は)今日は他大学の強い選手がいる中で勝負できた。今後も駅伝に向けて、工藤さんに頼るだけでなく、自分や下が工藤さんとしっかり勝負していってチームを引っ張っていきたい。(トラックシーズンは)5000mの13分台、10000mの28分台をまだ出せていないので、そのタイムを目指していく」

◆下史典
「(今回自己ベストを更新したが)走る前から、記録よりもユニバーシアードの出場権獲得を狙っていた。記録は昨年のものなので更新できるとは思っていた。(大会に臨んだ気持ちは)箱根駅伝後の合宿で練習を積めたので、自分の中では自信を持てた状態で臨めた。大八木監督にも『自信を持っていけ』と大会前には言われていた。(2秒差で同期の片西選手に敗れ、出場権を逃したが)片西と並んでいた時には先頭が4人でこの中から3人は出場権が獲得できることは分かっていたので、ラストで負けたのはそれだけ相手の『勝ちたい』という気持ちが強かったのだと思う。そこで自分の詰めの甘さが出た。今回の詰めの甘かったということを念頭に練習を積んでいきたい。(今後視野に入れている大会は)トラックシーズンに入るので、兵庫リレーカーニバルや10000mトラックで結果を出せばユニバーシアードの選考の対象になると言われているので、そこでリベンジしたい」

◆物江雄利
「(今大会に臨んだ心境は)先週、クロスカントリー選手権に出場し、今大会に出場するかしないか委ねられたが、出場を自身で決めた。2週連続のレースになったが、大きな大会ということもあり、ここでハーフマラソン63分台を出したくて、自己ベストの更新を狙って走った。(走りについては)先週のクロスカントリーに出場した時の疲労が抜けていない中での走りになったが、目標としている63分台に届かなかった点では力不足だったが、1年生の中村大聖に負けてしまったことはしてはいけないことだと思うし、同学年の下や片西は力のある選手で、自分もあのようにもう一段階上でやらなければならないと思っている。(次に向けて)1か月後にある5000mトラックの大会で13分台を出して勢いをつけていきたい。また、片西がユニバーシアードの出場権を獲得したことより、自分にも不可能なことではないので、順調に自己ベストを更新していきたい。(自己ベストを更新するには)自分は箱根駅伝都道府県対抗駅伝で不甲斐ない結果で、監督、コーチや応援してくれている方々の期待を裏切り続けてしまった。こういった走りでは一度裏切ってしまった信頼を取り戻すことは不可能だと思うので、トラックでしっかりと結果を残したい。そのために3月は、ついてきたスタミナとスピードとを両立させ、持ち味のラストの走りに磨きをかけていきたい」

◆海老沢太郎
「(今日の調子は) 神奈川ハーフから練習はしっかりつめていた。調子も良かったので64分台を狙っていた。(レースを振り返って) 最初は前のほうにいて、そこから粘ろうと考えていたが中盤からずるずると落ちてしまった。自分の中では初めて速いペースで入ったのでこれからスタミナの強化をしていかなければならないと感じた。(レースの目的は) 神奈川では1年生に負けてしまってタイムも良くなかった。同学年も箱根を走ったメンバーも出場していたので少しでも同学年に食いついていけるように考えていた。4月から3年生になるのでしっかりしないといけない、と感じた。(暑さについては) とくに気にならなかった。自分は暑い方が得意。他の人にとってはきつかったかもしれないが、自分にとっては有利だなと思った。(意識していたことは) 自分が駒澤の中で何番を走っているのか意識していた。山下や川戸さんが見えていたが、追いついてからがきつく離れてしまい、結果的に大きな差をつけられてしまった。距離走でも集団の中でリラックスして走ることをイメージしながら練習をやっていきたいと思う。(春からのトラックシーズンに向けて) 3000m障害で8分50秒を切るように監督から言われている。8分50秒を切って日本選手権に出場するのが今年の目標」

◆大坪桂一郎
「(今日の調子は)悪くないはと思っていたが、走ってみると辛かった。(監督・コーチからは)序盤はあまり余計な動きをせずに、後半レースが動いた時にしっかり対応できるようにと言われていた。(今日のレースプランは)とりあえず同級生の山下に食らいついていって、いけるところまでいこうと考えていた。(実際走ってみて)序盤からペースを落としてしまい、全く自分の思っていた走りは出来なかった。(意識していた他大の選手は)日本文理大の副島。(次のレースの目標は)次のレースはまだ決まっていないが、今度は自分でももっと満足できるようなレースがしたい」

◆中村大成
「(今日の調子は)スタートラインに立った時、身体が軽い感じがあって、距離がもつかなという不安があったが、やはり後半もたなかった。(監督・コーチからは)練習はある程度できていたので、順調だから自信もって走ってこいと言われた。自分でもそこは気持ちを入れて走ったが、ちょっと思ったよりという感じだった。(今日のレースプランは)3分ペース。前半は少し抑えて、後半のアップダウンが大きいコースに備えていこうと思っていた。前半ためていたつもりだったが、後半にもっと余力を残せたかなという感じがある。(他大で意識していた選手は)特にいない。自分で設定した1時間3分台の目標を意識して走った。(今日の結果をふまえて今後の目標は)ハーフはしばらくないと思うので、これからのトラックシーズンは、自分の走り方的にトラックが向いているので、この経験を活かして上手くシーズンに入りたい」

◆中村大聖
「(今日は)調整をしてきたが、最後のポイント練習がきつかったので調子は悪かった。神奈川ハーフから1か月間しっかり練習を積んできたので、自信を持って臨むことはできた。(今日の目標は)1時間3分40秒を切ること。(意識していた選手は)中西さんに勝つことを目標にしていたが、今回は力の差を感じる結果だった。(レースプランは)いつもは前半に突っ込んで後半に粘る走りをするが、今日は暑かったので粘り切れないと思った。ラスト5kmが一番きつくなるので、ばてないように、最初は抑えた入りにして15kmまではためて、ラスト6kmくらいから徐々に上げていくよう計画した。(ラストの追い上げが印象的だったが)ラスト2kmからは切り替えができていたが、本来5kmから切り替えないといけなかったため、そこに自分の弱さがあった。(今日の結果は)箱根駅伝に出ることができたとしても出ることだけで終わってしまうので、どんな状況でも最低限1時間3分台を出せる選手になりたい。(課題は)フォームをぶれないようにすること。最近は体幹トレーニングも取り入れているので、ぶれない走りをできるようにしたい。(トラックシーズンは)5000mだけでなく、10000mもしっかり走れる選手になりたい。トラックでもスタミナをつけて、箱根につながるトラックシーズンにしたい」

◆山下一貴
「(走りについては)先々週の神奈川ハーフからあまり練習を積めず、前回と同様に5kmまでは安定した走りができていたが、7~8km頃からペースが上がらなくなった。だが、疲労がたまる練習はしていなかったので、疲労が原因ではないと思う。(目標としていたのは)1月のオレンジビーチマラソンでの優勝や2月のハーフマラソン自己ベスト更新などで良い走りができていたので、63分台を目指していた。しかし、初ハーフよりも遅いタイムとなってしまい、次に繋がらない走りになってしまった。(今回見えた課題は)レースに向けての調整の仕方が課題だと感じた。もう一度調整の仕方を見直したい。また、今回は体重についても、軽い状態で臨んでしまったので、次は体重についても意識したい」

◆佐々木聖和
「(今日は)調整の段階ではあまり動いている感じはしなかった。(今日のレースの目標は)今年度最後の大会なので、1年間やってきたことの集大成をレースで出すこと。タイムは1時間4分00。(レースプランは)序盤は後ろのほうで力をためて、後半にペースアップしていこうと練習してきた。(レース展開は)10kmまで集団の中で力をためて、15kmあたりからは自分のペースで走ったが、そこで上げきれなかったので、今後の課題にしたい。(今日の結果は)タイム的には自己ベストであるが、あと少しで1時間5分を切れたので、自分の詰めの甘さを感じている。(これから先輩になるが)強い新入生が入ってくるので、負けないように、走りで先輩としての威厳を見せたい。また、自分たちの学年は弱いと言われてしまっているので、誰か1人ではなく、学年全体のレベルを上げていきたい。(トラックシーズンは)昨年は自己ベストを更新できなかったので、5000mは14分00秒、10000mは29分30秒を目標にして、結果を出していきたい」


上位3名がユニバーシアード代表に内定(大丸勇樹撮影)

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